1976年生まれ。大学卒業後、株式会社IMJ 入社。
Spiral&Star U.S.A.,Inc.、ソースネクスト株式会社を経て、2003年10月ビルコム株式会社設立。代表取締役兼CEO就任。創業以来、デジタル領域に特化した戦略的PR事業を手がける。総務省「ラジオと地域情報メディアの今後に関する研究会」構成員。「WOMマーケティング協議会」理事長。著書に「WebPRのしかけ方」(インプレスジャパン)がある。
デジタルエージェンシーとしてアジアのハブになる
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代表取締役兼CEO 太田 滋 氏
デジタルエージェンシーとしてアジアのハブになる
ビルコムはPRエージェンシーとして創業され、最近はPR×デジタルマーケティングという領域を自ら確立し、No1になりつつあるという位置づけだと思います。最初にお伺いしたいのは、ビルコムは何の会社だと言えるのでしょうか?

ビルコムでは、「Digital agency in Asia」と自らを定義しています。 これは、統合型デジタルマーケティングの領域でアジアのハブになっていく存在でありたいという意味です。 我々がコアとしているのは、デジタルマーケティングに関する戦略・企画・実行のコンサルティングです。コミュニケーションチャネル、いわゆる消費者に接点を持つメディアが、TV、新聞、ラジオ、雑誌などのマスメディアも含めて急速にデジタル化しています。このデジタル化していくメディアを全て扱いながら、企業に対してソリューションを提供していきます。
我々は単に製品の機能的特徴を伝えるのではなく、動画やソーシャルな表現・技術を用いて、製品の使途シーンや情緒的ベネフィットを伝えていくという提案を行っています。つまり、コンテンツの企画開発とコミュニケーションを両方合わせていますので、デジタル「コミュニケーション」だけではないと考えています。
なるほど。ところで先ほど統合型という話が出ましたね。1990年代に大手広告代理店がIMC(Integrated Marketing Communication)というコンセプトを大々的に日本でも提唱したことを覚えていますが、IMCという考え方自体が、デジタルの波の中で変容しようとしているのでしょうか。
我々が目指しているのは、「Digital IMC」ということになりますね。IMCの中には大きく分けるとPR、広告、販売促進という3つの要素が含まれるのですが、この3つにデジタルという要素で横串を刺し、クライアントに価値を提供するのが「Digital IMC」という考え方です。最終的な提供価値はシンプルで、「売上向上」か「ブランド確立」のいずれかです。
デジタルマーケティング史の転換点はどこか?
端末のデジタル化と、ソーシャル化
(ビルコムが成長してきた社会的背景と社会的意義)
「デジタル」というビルコムの強みがここまで世の中で活き始めたのは、テクノロジーの進化とともに、ユーザーのライフスタイルを中心とした社会的変化も大きく影響していると思います。ビルコムがデジタルを明確な強みに出来た転換点ともいえる時期は、一体いつなのでしょうか。例えば、twitterが使われ始めたときや、iPadが出たときなど...。
我々の事業を加速させている社会的な変化は二つあると認識しています。 一つ目の流れは「端末のデジタル化」です。 我々デジタルエージェンシーは、世のインターネットエージェンシーとは明確に違う存在だと考えています。インターネットエージェンシーは対象となる端末がPCか携帯ですが、我々デジタルエージェンシーは、PCや携帯端末だけでなく、TV、新聞、ラジオ、雑誌、屋外広告といった既存メディアも含めたデジタル化に対応するという意図があります。それは我々の意向ではなく、社会がそうなっている、あらゆる情報端末がデジタル化していっているという時代の変化によるものです。例えばTVの完全デジタル移行もそうですし、今後はスマートTVも普及してくると思います。TVがインターネットに接続されると、TVの上でアプリケーションやソーシャルサービスを利用できるという流れが出てくることになります。新聞についても2~3年前はタブレット端末で見ている人はいませんでしたが、今は数百、数千万人の人が見ています。このように端末のデジタル化は大きな社会の流れです。
もう一つは、「ソーシャル化」の流れです。ソーシャルというのは、個人が情報の作り手にも情報の消費者(受け手)にもなりうることを意味しています。デジタルのテクノロジーやサービスが普及することによって、ソーシャル化の流れがここ2~3年で急速に普及していきました。それと同時にマーケティングコミュニケーションも劇的に変わってきています。
これはグローバル共通の流れでしょうか?

「端末のデジタル化」「ソーシャル化」という二点については、グローバル共通の流れだと思います。iPhoneもiPadもそうですが、国固有の仕様ではなくグローバル共通の端末ですし、ソーシャルメディアについても、その国固有のソーシャルメディアはあるものの、facebook、twitter、YouTubeといった主要ソーシャルメディアはグローバル共通です。
日本企業のグローバル化を考えると、こういった変化に対応し、マーケティングで勝てる企業を増やしていく必要がありますね。ビルコムの社会的意義もこの辺りにあるのではないかと思うのですが、ビルコムの存在は社会や企業に対してどういった貢献があるといえるでしょうか。
前提として、日本ではマーケットが成熟しているということが大きなポイントです。
どの企業も商品の機能性は非常に高まっていますので、商品そのものでは差別化がはかりにくくなっています。マーケットを広げるためには今まで買ってくれていたお客様以外にもターゲットを切り開いていく必要が出てきたということと、商品ではなくブランドを意識する必要が出てきたといえます。つまり、これまでのように高機能商品を作り、マス広告を打つだけでは、長く顧客から支持されるブランドは築けない時代になっているということです。極めて効果的に顧客や見込客にアプローチできるデジタル端末やソーシャルメディアの存在は、これからの企業のマーケティングを大きく進化させるポテンシャルを秘めており、そのポテンシャルを顕在化させ、クライアントの成功をもたらすことが、ビルコムが持つ意義だと考えています。
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