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日本の成長企業

KAIZENというコンセプトは世界に通じる(前編)

KAIZEN platform Inc.
Co-founder&CEO 須藤憲司 氏

2003年に早稲田大学を卒業後、株式会社リクルートに入社。マーケティング部門、新規事業開発部門を経て、アドオプティマイゼーション推進室を立上げ。株式会社リクルートマーケティングパートナーズ執行役員を経て、2013年4月にKAIZEN platform Inc.をサンフランシスコに設立。メインプロダクトはグロースハック支援ツール「planBCD」。

創業以来3ヵ月で売上2億円超え。順調なスタートに見えますが、立ち上げの経緯を教えてください。

順調じゃないです、本当に(笑)。「シリコンバレーで起業する」といって登記したのに、いざ渡米するとビザが取れないことが分かって・・・。「あれ、まだ日本にいるの?」「いや、ビザが取れなくてさ・・・」。そもそも、そんなスタートですから、順調でも何でもないです。

私はもともとリクルートで10年間働いて、33歳で起業しました。綿密な計画があって退職したわけではないので、辞めてから何をやろうかと考えました。リクルートではインターネット系事業で執行役員をやっていたのですが、その事業もだんだん規模が大きくなってきまして、いわゆる「大人の仕事」が増えてきたんですね。

それから、「もっと手ざわり感がある仕事をやりたい」と思い始めたことが起業につながっています。リクルートではシリコンバレーでのビジネス提携といった仕事をしていたこともあり、どうせやるなら世界に通じるものにしたいと思っていましたので、まずはサンフランシスコを本社にしたのです。

KAIZEN platformがやっているのは、どういうビジネスですか?

現在メインとなっているのは、「planBCD」という、グロースハッキングの支援ツールです。ウェブサイトの運営において本当に重要なのは、日々サイトに改善を加えてみがき込み、成長させていくという「グロースハック」です。

UIやUXを絶えず最適なものにしてコンバージョンレートを上げていくことは、重要だと認識されてはいても、実際は大変なんです。ちゃんとやるとコストもかかりますし、そもそも「UIデザイナー」と呼べる人材にも限りがありますから・・・。

planBCDを使うと、「コンバージョンレートを上げるためにボタンのデザインを変えたい」といった場合に行うA/Bテストなどが非常に楽になります。下記の画像を見てください。reluxという高級旅館の宿泊予約サイトのグロースハック事例です。パターンAとパターンB、どちらが会員登録数が多いかわかりますか?  

<パターンA>

<パターンB>

もともとのサイトはパターンAだったのですが、planBCDを使ってパターンBを試したところ、会員登録数が174%にアップしたのです。あとから見れば、黒バックにしてボタンとのコントラストを強めたからだとか、コピーの置き方が良いといった解説はできますが、実際は試してみなければわかりません。

単に登録画面のデザインというと軽視される方がいるかもしれませんが、会員登録数がこれまでの1.74倍になることが、いかに大きなビジネスインパクトかはお分かりいただけるのではないかと思います。

ただ、実際にAとBを両方試して良いものを残すA/Bテストには、これまで多大な労力がかかっていました。

ところが、planBCDを使えばとても楽になります。改善したいポイントを発信すれば、世界中のデザイナーが改善案を提案してくれますし、かつ、自動的にA/Bテストを行うことができますから。

現在は、UI改善に大きな予算を投下している企業を中心に受注を頂いています。「社内にデザイナーはいるものの、UI改善のプロではないし、グロースハッカーでもない」という企業にとっては、planBCDというツールは非常にパワフルなものだという評価を受けています。

リクルート時代にも、A/Bテストなどのサイト改善に携わってきましたが、サイトをみがき続けるのは大変なんです、本当に。

競争がし烈になればなるほど、「改善できれば勝つし、改善できなければ負ける」世の中になっていくと強く感じていました。私自身、B2Bの事業で育ってきたので、「企業がお金を出してでも、絶対に買いたいと思うもの」を作りたかったのと、自分がサイトをつくる上で困ってきたことが一番分かりやすいニーズなので、planBCDというサービスからスタートしたということです。

グロースハッキングにクラウドソーシングを掛け合わせる発想はどうやって出てきたのですか?

「ひとりのアイディアより、皆のアイディアの方が良い」という発想が出発点です。ウィキペディアに近いですね。

ビジネスモデルを考えているときに、クラウドソーシングという線は頭にありました。Youtubeで話題になっているパフォーマーとかよくいますよね。ああいうエンタメ領域で出てきているような個人が、ビジネスやプロフェッショナルの領域でもっと出てきて、働き方が多様化するのではないかと思ったのです。

本当はウェブサービス運営者の社内にグロースハッカーがたくさんいればよいのですが、デザイナーがエンジニアリングを理解したうえでテストをくり返し、コンバージョンレートを上げ続けるのは大変ですし、そもそも一人のアイディアには限界があります。

planBCDを使えば多くのアイディアを集められますし、デザイナーにとっても、エンジニアリングの部分はツールでサポートできるので、UIやUXに対する意識のあるデザイナーやコピーライターが比較的簡単にグロースハッカーになれるということなのです。

今はネットワークしているデザイナーやコピーライターの数が十分ではなく、クラウドソーシングとしての依頼機能はクローズドβテスト中ですので、リリースまでにネットワークの拡充にも力を入れていきたいと思っています。

やはり順調に見えてしまいますので(笑)、苦労話も教えてください。

本当に、毎日悶絶していますから(笑)。プロトタイプをいくつも作っていくつも捨てているんです、これまでも。「これ、なんかドキドキしないよね・・・。こうした方がわくわくしない?」とかいって。せっかく作ったものもいくつも捨てています。

もし、私に何か長所があるとすれば、それは「失敗してもめげない」ことだと思います。うまくいかないことがあっても、「ははーん、こういうことか。じゃ、こうしよう」って。いろいろ問題がわかれば、それは前進なんです(笑)。

よく「事業は千三つ」といって、1,000個中3個くらいしか当たらないと言われますが、確率論よりも、997回失敗してもめげないことが大切だと思います。

最悪でも998回目に当たるってことですから。私は、何回失敗していいのか、というイメージを事前に持つようにしています。「100回失敗しても挑戦したいテーマでなければ、大したことないな」って。そうすると、10回くらい連続で失敗しても、全くめげないです。そして、大抵は30回目くらいで当たるんですよ、何かが。

だとすれば、あとは試行スピードです。11回失敗すれば、1ヵ月30回失敗するわけですよね。このサイクルを早く回すことが、とにかく大事だと思います。

 >> 後編に続く

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