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日本の成長企業

重要なのは「プロダクトが描いている世界が大きいかどうか」

株式会社メルカリ
取締役 小泉文明 氏

1980年生まれ。早稲田大学卒業後、大和証券SMBC株式会社に入社。投資銀行部門にて、DeNAをはじめとする数多くのネット企業のIPOを担当。2007年に株式会社ミクシィに入社し、社長室長、経営管理本部長を歴任し取締役執行役員CFOに就任。2012年に同職を退任後、IT系ベンチャーやスタートアップ企業の取締役、監査役などの経営サポートを務める。2013年に株式会社メルカリに入社後、取締役に就任。

≪メルカリ 取締役 小泉文明氏のインタビュー前編はこちら

「スタートアップのCFO」のロールモデルとして語られていますが、どのような役割を意識していますか?

影響力があることをやるには、やはり資本が必要です。優秀な人材を採用するにはしかるべきお金が必要ですし、プロモーションにも積極的に投資しなければいけません。大きいことをやろうと思えば、ある程度の大きな資本がないと、インパクトは残せないと思います。

そういう意味でいうと、CFOとしてはまず「お金を集める力」が必要だと考えています。ただ、そこで決定的に重要なのは、「そのプロダクトを通して描いている世界が大きいかどうか」ということです。

CFOというとお金を集めるイメージが強いですが、実際に資金調達にかかる期間は数カ月間くらいであり、むしろ、一度投資を受けてから次のファイナンスまでの1年、2年の自身の働きによって、次の資金調達の規模や集まりやすさが変わってきます。

資金調達単体のスキルというよりも、事業を伸ばすところに注力していかないと、次のファイナンスで集まるものも集まりませんし、何より事業の出来上がりが大きなものになりませんからね。

そして、事業を伸ばすためには、「何をやりたいか、という大きな絵」がないと、必要な資金量や必要な投資のポイントが分からないのです。

当社の山田にしろ、ミクシィ創業者の笠原さんにしろ、とにかくプロダクトを作ることが好きで、「世の中をどう変えたいか」という思いが強い人たちです。思考がとても深くて、将棋の棋士のようにあらゆる可能性を想定するような頭の良さを持っています。一方で、プロダクト以外の部分は僕に比較的自由にやらせてくれるタイプです。

そういう懐の深い起業家のそばで、僕はそのパートナーとしてモノづくりに集中できる環境を整え、それ以外を全部、責任をもってやるという考えです。それが、僕にとっても一番心地よい働き方です。ですから、タイトルはあまり関係ありません。実際、メルカリでの私は、CFOという肩書ではないのです。

名刺には、「取締役」とだけ書いてあります。どうしても「元ミクシィのCFO」というイメージが強いのですが、今はエンジニアリングを除いて、事業を伸ばすこと全てに関わっていく役割だと認識しています

少数精鋭でいくのか、ある程度の規模にするのか、どうなりますか?

10年前と比べて、インターネット業界の社会的地位は確実に上がってきています。とても優秀な方たちが、この業界に入ってきています。また、優秀なだけでなく、チャレンジしたいというマインドの人も増えています。よく、「自分より優秀な人と組みなさい」という話がありますが、僕も山田も、その考え方に忠実に採用活動をしています。

基本的には、「尊敬できるほど優秀な人」でないと、採りません。そのためなら、30人でも40人でも会います。そこの手を抜かずに、優秀な人を採り続けることが大切だと思っています。

組織が大きくなってくると、リスクの感覚が悪い意味で強くなってきます。本当は、組織が大きくなるにつれて、どんどん業務を捨てなければいけません。「うちの会社では、このぐらいのミスはもうリスクではない」とか、「うちの会社は大きくなったから、これはもう要らない」といったように、適切に業務の新陳代謝を働かせて、業務も無くさなければいけません。

ところが、組織が大きくなったり、上場したりすると、みんな守りに入ってしまいます。「今あることも当然大事だし、新しいことも大事だ」、「では人を増やそう」となります。それをやってしまうと、新陳代謝は起きないし、古い仕事は捨てられない。結局、いろいろなものが残ってしまいます。

会社を「舞台」に例えると、経営者の仕事は舞台を大きくすること、観客を増やすことだと思っています。大きい舞台を用意しますが、舞台を大きくしたからといってエキストラを増やしても、観客は喜びません。

単にエキストラを増やすのではなく、主役となる素晴らしい出演者たちを集め、彼らが成長でき、観客が増えていく。そうやって大きくすることが僕らマネジメントの仕事だと思っています。そのために、採用にはこだわります。

最後に、メッセージをお願いします。

メルカリでは3つのバリューを掲げています。

Go Bold – 大胆にやろう

世の中にインパクトを与える多くのイノベーションを生み出します。破壊的創造を目指し大胆にチャレンジし、数多くの失敗から学んでいきます。

All for One – 全ては成功のために

メンバーの力を結集してチームで最高のプロダクトを創ります。チームはどのような成果をあげており、それに個人としてどのように貢献しているかというチームワークを非常に重視しています。 

Be Professional – プロフェッショナルであれ

メルカリは卓越した能力を持った個人が考え抜きベストを尽くす組織です。メンバーは常にオーナーシップを持って自由闊達に仕事をし、専門的能力をレベルアップしていきます。

非常にシンプルですが、僕らは、この三つそれぞれを本当に深く追い求めている会社です。どんどん拡大していますので、変化を受け止めて対応する側ではなく、変化を起こす側の人が欲しいです。ユーザーに対して、常に驚きや満足度を与え続け、いい意味で裏切ってもらいたいので、そういう変化を起こせる人、もしくは発信する人、行動する人と一緒に働きたいですね。

そして、1人でできることには限界があります。だからこそ僕は、多くのメンバーと一緒にやることで、ムーブメントをより大きくしていけると思っています。優れたプロフェッショナルが、チームで働くことで大きなことを成し遂げるというやり方をしたいと思います。

これから素晴らしい方とお会いできるのを楽しみにしています。

取締役 小泉文明氏(写真左) / 代表取締役社長 山田進太郎氏(写真右)

 メルカリ 代表取締役社長 山田進太郎氏のインタビューを読む≫

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