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インタビュー

独占インタビュー ファーストリテイリングの「経営人材育成」とは?

株式会社ユニクロ・株式会社ファーストリテイリング
FRMIC 部長 越川 康成 氏

大学卒業後、総合化学メーカーに入社。人事部・総合企画部にて人事・労務政策を担当。2001年にファーストリテイリング(以下、FR)に入社。人事全般・中途採用を担当、経営変革部等を経て、2010年、FRMIC(ファーストリテイリングマネジメントイノベーションセンター)の部長として、経営人材育成、社員意識改革のための社内コミュニケーションに携わる。

FRMICとは何か、具体的に教えてください。

株式会社ユニクロ・株式会社ファーストリテイリング FRMIC(エフアールミック) 部長 越川 康成 氏

FRMICとは、FRグループが世界No.1になるために必要不可欠な、経営人材を育成するために設立された機関です。Fast Retailing Management and Innovation Centerの頭文字をとって、FRMIC(エフアール・ミック)と呼んでいます。学長は、FRグループCEOの柳井正、副学長は、ハーバードビジネススクールの竹内弘高教授、そして、一橋大学大学院国際企業戦略研究科(ICS)の教授陣がコーチという体制を敷いています。

FRMICが目指しているものは、経営人材の育成、すなわち、「新しい日本企業の姿を描ける人」「実際にそのような組織をつくり上げられる人」、さらに「それを世界中に広げられる人」を育成することです。また、選抜した一部の人材の育成にとどまらず、FRグループの社員全員が時に自分が先生となって人に教え、時に自分が生徒となって学ぶ、つまり全員が学びあう会社に作り変えることも目的としています。

経営者育成機関というと、「決められた期間で、決められたプログラムを受講していく」、というイメージを持たれるのですが、FRMICはそうではありません。また、よくある「設定された経営テーマについてグループでディスカッションして、経営陣にプレゼンテーションし、良ければ採用されることもある」というスタイルでもありません。

FRMICは、育成対象となっている人達が、経営者として、FRグループを成長させていくために、「どんな事業上のチャンスがあるのか」「どんな経営課題があるのか」を経営者の視点で自分で探します。

そして、自分で探し当てた課題について、解決策を考え、実行していく、それによって会社を成長させていく、そういう場なのです。「何をやるべきか」を自分で考える、しかも、「実行して、結果を出す」ことが求められます。

扱うのは自社の課題となると「日常業務の延長線上」に近いものなのでしょうか。

確かに、FRグループ自身の経営課題を見つけ、解決し、成果を上げるというと、「それじゃ、普通の業務と変わらないじゃないか」、と思われがちですが、日常業務を突き抜けたことを扱って、成果を出していく場であり、「全社を変えていく起点になる場」ということになります。わかりやすい言い方をすると、FRMICのメンバーが自ら取組む課題解決・チャンス開発のレポートを書くとき、「冒頭に、あなたの部署・役職・名前が書いてありますよね。

あなたが経営者の視点で考えたというのであれば、あなたの名前を、"グループCEO柳井正"と書き直しても問題ないレベルになっていますか。」ということが常に問われています。そして、そのレポートを仮に全社員が読んだとしたら、「スゴイ。私たちの会社はこういう方向に進むんだ!」と感じるものでなければならない、と。 このような視点で考えるとき、FRの考え方がわかっていないと、小手先の改善に走ってしまうこともあり得るんですね。そのため、「経営理念」や「商品経営の考え方」、「店舗経営の考え方」など、我々がよくいう「原理原則」を、何度も何度も繰り返して浸透させていきます。

FRMICで取り上げられた課題の実例を、具体的に教えてください。

実例は、まさにこれからFRが戦略的に取組んでいくものばかりなので、具体的には申しあげられないのですが、イメージとしては、いずれもどうやったら「圧倒的なインパクトがあるか」、どうやったら「根本から変えられるか」「Moreではなく、differentにするにはどうしたらいいか」ということが、FRMICで議論されています。一機能を担う責任者としてではなく、ファーストリテイリングの経営者として、どう未来を創っていくか、ということであり、かつ、世界No.1を目指すという水準がベースにありますので、とても大変なものです。

柳井さんから、FRMICの場でよく発せられる指摘は、どのようなものなのでしょうか。

株式会社ユニクロ・株式会社ファーストリテイリング FRMIC(エフアールミック) 部長 越川 康成 氏

ひとつは、「それを聞いて、未来に希望が持てますか。社員の人達が、ぜひやってみたいとワクワクしますか」ということです。「目の前の競合に勝てるか」、といったレベルの話ではなくて。 もうひとつは、「それは儲けることができますか」ということです。「儲ける」という言葉を使うと誤解をする人がいますが、単に利益を上げれば良いということではありません。「儲けることが大切」と「儲ければいい」ということには全く意味が違っています。

事業として正しいことをしていて、お客様にとって新しい価値があって、地道にそれを実行して、正しく利益を上げられるかということです。ちょっとした思い付きで、これなら高い利益率を上げられるというような安易なものであってはならないです。そうした本質を踏まえているかということです。その上で、「資本主義では企業とは資本の増殖運動。

事業を成長させるためには、利益をあげて拡大再生産できなければならない」という発想を常に持っています。 もう一つ、「その話、どれだけ現実味があるのですか。この1年に何をするんですか」という問いも同時に発します。

「非常に高い理想・目標を掲げつつ、同時に、極めて現実的なところからスタートする」というバランスが問われます。過去、現在、未来というつながりを重視し、打ち手はとことん具体的じゃないとダメだ、と。「具体的でないと、未来は絶対に作れない」、とよく言いますね。柳井はFRMICの全てのセッションに自ら出席して全員との討議を通じて考えを伝えていきます。

このように、FRMICでは一人ひとりが経営課題に取組み、チャンレジをするという実践の過程で、柳井がこれまで経営をしてきた経験から培った暗黙知を共有する場でもあります。その一方で、一人ひとりの取組のYES/NOの判断は、柳井ではなく、他の上席執行役員がその場で行います。実際に意見が食い違っても、まずはプロジェクトをスタートさせようと結論を出したケースもあります。つまり、柳井だけが経営人材育成をしているのではなく、グループの経営陣全員でこの取組を行っているということです。

越川さんは10年以上、FRの採用と育成を担ってこられました。FRで活躍する人、力を発揮するのに苦労する人の特徴は何でしょうか?

株式会社ユニクロ・株式会社ファーストリテイリング FRMIC(エフアールミック) 部長 越川 康成 氏

FRで活躍する人は、FRの「原理原則」を早期に理解し、それを判断基準として仕事ができる人だと思います。 FRの原理原則はシンプルで、何よりも「どうやってお客様の支持を得るか。どうやったら我々の理屈ではなくて、お客様の立場で考えることができるか」ということです。「競合とは違って、当社の商品をお客様に買ってもらえる理由、つまり、売れる理由」を、どういう風に突き詰めていけるかということです。 当たり前のように聞こえることですが、実際に仕事をしているとどうしても違う原理、自社の都合や思い込みが働いてしまうことが多いと思うんですね。

確かに、「お客様の立場で考え、行動しよう」、といっている会社はたくさんありますが、本当にそれができているなら、もっと儲かっているはずです。でも、実際はそうではないことがよくあると思います。 FRは、本当の意味で「お客様の立場に立つ」ということを原理原則に据えて、綿々と実行し続けることを強く求めています。

言うのは簡単ですが、「日々、すべての意思決定や行動について、お客様を基準にする」ということは、時として仕事をする上で大変な負担が伴うことがたくさんあります。「まあ、こんなもんだろう」という仕事ではお客様にすぐに見抜かれるわけですから、徹底的にやらなければならない。ところが、仕事をしていると、時に自分の都合が先に来てしまうことがあります。

FRに転職して仕事をしていると、一見おかしな判断にみえたり、非常識に見えたりすることがあると思います。そのときに、自分都合の判断基準を見直して、FRの原理原則を自らの判断基準として、成果に繋げられるかどうかが、FRで早期に活躍できる人と、苦労する人の分かれ道の一つではないかと思います。

前職で素晴らしいキャリアを持ちつつも、これまでの成功体験に囚われて自分自身を変えられないと大変だと思います。転職をすると、誰でも当初は戸惑うことがあると思います。その戸惑いの要因をよく考えて、自分を変えるべきところは変える柔軟性が重要だと思います。

私はキャリアの相談をしてくる社員によく問いかけるのですが、会社に不満や不安がある場合、それを、逆にポジティブに書き直してみるといいんですよ。 「この先のキャリアが見えない」と思う人は、「年功序列で、先のキャリアが見えてしまっていることが嫌だから、FRに転職したんじゃないですか」、と。「成果に厳しい。評価が厳しい」と思う人は、「実力勝負がしたくて、世の中にインパクトのある成果を出したくて、FRに転職したんじゃないですか」、とよく問いかけます。これだけ成長していて、世界に向けてチャレンジしている企業で働いていて、心地よい全くの無風状態などあり得ません。そこで起こることを、どのようにポジティブに消化して、次なる高みに向かえるかが、大きなカギだと思います。とはいえ、私自身もそれを頭では理解していながら、「さすがにこれはしんどい」と思うことは、日々ありますけど(笑)。

FRで活躍する人・苦労する人の特徴は、この10年で変化しましたか。

先ほど申し上げた、FRの原理原則を腹に落として、判断基準にすることができる人が成果を出しているという事実は、この10年間でも変わっていないと思います。全くぶれていません。今後もこの原理原則が大きく変わることは無いと思います。一方、変わった部分でいうと、この数年でユニクロは急速にグローバル化を進めていますから、そういったグローバル志向で仕事ができるかが、強く求められるようになりました。そういう意味では、完全にドメスティックでしかものごとを考えられない人は、なかなか成果を出しにくい、という状況に変わってきたことは間違いないと思います。

人材の面から、グローバル化の手ごたえを感じるのはどのようなところですか。

株式会社ユニクロ・株式会社ファーストリテイリング FRMIC(エフアールミック) 部長 越川 康成 氏

中国や韓国では、もう何年も前から新卒採用を行っており、その人たちが成長してきています。そのような、頑張っている店長や社員たちを見ると、「絶対にNo.1になるんだ」と、もの凄いバイタリティで、「こういう人が次の会社を支えていくリーダーになる」と強く思うんですよね。

先日、中国で経営理念のセッションを実施したのですが、「良いアイディアを実行し世界を動かす」というテーマで議論をしていたときです。「『世界を動かす、なんて大それたことを言っても、実際は洋服屋だ』という意見を言う人もいるけど実際みなさんはどう思いますか?」と問いかけてみたんです。

そうすると、あるスーパーバイザーが、「私も最初はそう思っていました。でも、自分の体験から考えが変わりました。私は、『お客様がいらっしゃったときには笑顔で、歓迎降臨(中国語で、いらっしゃいませ)、と言うのですよ』と教わりましたが、そのような習慣がなかったので、最初はわけも分からずにやっていました。

でも、実際にお客様が喜ぶんです。そうすると、いつの間にか、同じショッピングモールに入っている周りの店舗もユニクロと同じように「歓迎降臨」とやるようになったんですね。そうやって、社会的な礼儀みたいなものが変わっていく。

そういうことも、「世界を動かす、ということの一歩だと思う」と。日本以外の国から、こういう話がどんどん出てくることに日々触れていると、「FRの原理原則を体得し、成長したいと思っている人が経営者になっていくんだ」と強く思います。

世界中にいるそういう店長たちの姿を見て、「この人達、凄い」という尊敬の念や、「応援したい」という思い、「負けたくない」という思いを持てるかどうかが、FRで働く上でとても大事なことだと思います。単に、「スキルアップしたくて転職します」、といっているレベルでは、とても太刀打ちできないと思いますよ。

FRグループの次世代リーダーを目指す人に求められる期待と覚悟について、教えてください。

株式会社ユニクロ・株式会社ファーストリテイリング FRMIC(エフアールミック) 部長 越川 康成 氏

個人的なことですが、私がFR・ユニクロで働いているということを近所の方や子供が通っている学校の父兄などが知っていて、会うと「今日、この服、ユニクロなんですよ。これいいですよねぇ」とか、「こういう商品が欲しい」なんて声をかけてくれます。しかも、しょっちゅう(笑)。それは、ユニクロというブランドに対して、好意を持ってくれている証拠だと思います。

例えばオフィスに荷物を届けてくれた宅配便のスタッフの人が、「今日、ヒートテックを着てるんですよ。すっごく、いいですよこれ」って声をかけてくれるわけです。本当の意味で、いいビジネスをやっているからだと思うんですね。 それだけに、世の中の一人ひとりに本当に良い服を提供し、世の中を動かしていきたいという志を共有していることが求められると思いますし、実際にそれくらいのインパクトのある仕事が求められるということだと思います。

その意味で、「成功は一日にして捨て去れ」ということが必要だと思います。何年も前の仕事の成果を「昔、あの仕事を私がやったんだよ」みたいなことを言っていては、駄目だと思います。旗艦店の立ち上げに大成功したとしても、もうそれはそれで、「次の月の業績がどうか」ということが問われます。成功に甘んじず、次々にチャレンジする覚悟が必要であることは、間違いないと思います。

 

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