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プロコミットの採用サポート

グッド・ビジネス(Good Business)とは?

成長企業の採用論|株式会社プロコミット

岩本:
リーマンショックの崩壊や新興国の勃興によるビジネスのグローバル化など、ビジネス環境が世界的に大きく変貌している中で、これから主流になるべきビジネスを「グッド・ビジネス」と名付け、大学院生とさまざまなビジネスの事例を元に議論しながらグッド・ビジネスの定義づけを行っている。

「我々はまさにグッド・ビジネスをしている」と言う企業の経営幹部の方々にも講義をしてもらい、自分達なりのグッド・ビジネスについて語って頂いた。各社なりに、グッド・ビジネスの定義を考えて講義してくださり、KBS側からの定義を提供せずに各社に考え語って頂くのも非常に意味のあることだと思った。「グッド」という言葉のもつニュアンスが各社のイマジネーションを刺激するのであろう。

今後更に進化する可能性はあるが、これまで大学院生と議論して創ってきたグッド・ビジネスの現時点の定義を以下に紹介する。

【グッド・ビジネスとは】
1)社会的受容度の高い理念をもっている
社会的課題を解決する、社会的欲求を満たし社会を豊かにする、社会的影響力を与え得る、シンプルでわかりやすい、多くの人の心に響くストーリーがある、など。

2)圧倒的強みがビジネスモデルにビルトインされている
ビジネスを展開すればするほど、自社の強みが圧倒的な強みに強化され、ビジネスの展開性/サステイナビリティが増す。

3)ステークホルダーサティスファクションが実現されている
自社のビジネスに関わるステークホルダーが満足する。つまり、「三方よし」(売り手良し、買い手良し、世間良し)。

【一つ一つの言葉の裏に深い議論があり、それぞれの言葉の意味については別の機会に紹介したいと思うが、各社のグッド・ビジネス性のエッセンスをまとめるとこれら3つのポイントに集約される。そして、現在の、あるいは、これからの成長企業は、このグッド・ビジネスを目指して活動していると言ってもいいだろう。

では、グッド・ビジネスの考え方を「成長企業の採用論」にどう落とし込むとどうなるか。勿論、成長途上の企業が3つの要素を満たしていることはほとんどない。従って、どの要素からどういう順番で組織としてのケイパビリティを身に付けていくかが成長企業にとって重要であるが、それをどういう方針で進めるかは各成長企業の特性によって違うところが難しいところである。どの成長フェーズで、どういう要素を強化するために、どういう人材を採用するのか、これは正に経営者の経営力を試されるところである。

清水:
岩本先生が研究テーマとしている、「グッド・ビジネス」。下記の3要件を備えたグッド・ビジネスが、持続的に成長し、社会的に意味を持つという考えは、成長企業にとっても参考になります。

1)社会的受容度の高い理念を持っている
2)圧倒的強みがビジネスモデルにビルドインされている
3)ステークホルダーサティスファクションが実現されている

しかし、私にはひとつの問題意識があります。それは、グッド・ビジネスだといわれる企業たちは、「成長過程すべての時点でこの条件を満たしてきたのか」ということです。特に、『理念』と『ビジネスモデルの優位性』を同時に持ち合わせていたのかは、興味深いポイントです。この点で、岩本先生の「成長途上の企業が3つの要素を満たしていることはほとんどない。」という見解に賛成です。

  • 理念を明文化しておらず社員の答えもバラバラだが、プロダクトやビジネスモデルが鋭く、高い成長を遂げている企業
  • 素晴らしい理念を掲げているが、儲かっていない、成長していない企業

それぞれ、存在しうるのではないかと感じるからです。

本音で語られる理念は、多くの人を惹き付け、事業を成功に導く素晴らしいものだと思います。しかし、「想いが理念として明文化されていることを良とし、されていないことを悪とする」ような二元論には、違和感を覚えます。

「理念の有無=善悪」という価値観によって、本音ではない建て前の理念を掲げ、サイトに掲載し、唱和をしているとすれば、これは問題です。社員にとっては「理念は、建前で当たり前」となり、その上、建前の理念が固定化することで、企業にとって最も大切な「フレキシビリティ」を阻害しかねないからです。

特に、スタートアップが早期に理念を固定化することは、かえって成長の妨げになるのではないか、と感じるのは、「理念が事業に即している場合」です。たとえば、「●●を通じて▲▲に貢献する」といった内容を「企業理念として」掲げて明文化している場合、●●や▲▲が具体的であればあるほど、必要なピボット(※)が遅れる可能性があります(※起業時のプロダクトや事業を方向転換すること。「リーン・スタートアップ」エリック・リース著 参照)。

本当は起業時のプロダクトや事業に勝ち目がないことが分かっているにも関わらず、掲げた理念が事業の軌道修正を妨げるとしたら、中途半端な理念など無い方が良い、ということになりかねません。

そう考えると、創業からコア事業が確立するまでの理念とは、あくまでも「初期仮説」だと捉えるのが良いのではないでしょうか。初期仮説があることで「ベクトルが揃い」、「働くメンバーの自己(または自社)肯定感が増す」というメリットがあります。初期仮説に拘泥してフレキシビリティを失うのではなく、むしろプロダクトや事業を徹底的に改良改善し続けながら、理念を進化させることに意味があると考えれば、より成長速度を上げられる可能性もあります。

理念は聖域であり、いったん理念を確立したら、異を唱えたり、変えたりすることはタブーであるという意識を感じることが多いのですが、まだ確立されていないスタートアップにとっては、思い切ってその弊害に目を向けることにも意味があるかと思います。

ただ、これは決して理念なく事業を続けることを支持しているわけではありません。会社がプロダクトやビジネスモデル、オペレーションなどを磨き、確固たる成長を遂げてきたら、岩本先生が提唱する「社会的受容度の高い理念」に向けて、「社会的課題を解決する」、「社会的欲求を満たし社会を豊かにする」、といった自社の意義を、深く考える必要があると思います。経営人材を採用する際、「その企業に共感できる理念があるかどうか」は優秀な人材にとって重要な要素となり得ますし、多くの人材を一つにまとめるのに、理念は非常に強力なものだからです。

なお、今回「理念」とひとくくりにしたものは、企業によって、経営理念、企業理念、事業理念、ミッション、バリュー等、さまざまな呼ばれ方をすることがあります。これらの用語を整理し、厳密に使い分けることは今回の主旨ではありませんが、今後の課題となり得ると考えています。

プロコミットでは今後も、岩本先生とともに、成長企業の成長過程を研究してまいりたいと思います。岩本先生は豊富なビジネス経験をベースにした上でアカデミアに身を置いていることから、常に実践的で、リアリティを大切にされています。原理原則に目を向けながらも、綺麗ごとを排し、ビジネスの現場に意味のあるものを導きたいというプロコミットのスタンスとまさに合致するものであります。今後更に、成長企業の採用論への示唆を得ていきたいと思います。

成長企業の採用論

岩本 隆

岩本 隆|慶應義塾大学大学院 経営管理研究科特任教授

東京大学工学部卒業。UCLA博士課程修了(Ph.D. in Materials Science and Engineering)。モトローラ、ルーセント・テクノロジー、ノキア、ドリームインキュベータ(執行役員)を経て、2012年より現職。成長企業の戦略論、新産業創出に関わる研究を実施。

清水 隆史

清水 隆史|株式会社プロコミット 代表取締役社長

早稲田大学法学部卒業。ベンチャー企業の経営企画室長としてIPO達成後、ドリームインキュベータに入社。企業の成長戦略、資金調達、組織改革、新規事業のコンサルティングに従事。2005年より現職。成長企業の中途採用支援を行う。

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Topics: 成長企業の採用論

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