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日本の成長企業

メドレーの挑戦|インターネットで日本の医療を革新する

株式会社メドレー
代表取締役社長 瀧口浩平 氏

1984年生まれ。開成中学校中退、2002年(東京学芸大学附属高校在学時)に米国法人Gemeinschaft,Inc.を創業。国内外の事業会社及び調査会社・コンサルティング会社の依頼を受けての市場調査/統計調査、新商品のコンセプト開発や市場参入の支援に携わる。個人的な医療体験から医療への課題意識を強め、事業譲渡後、2009年6月株式会社メドレーを創業。最高経営責任者。

まず珍しいのは開成中学校中退。開成は東大合格者数で毎年日本一の超難関校ですよね。

株式会社メドレー 瀧口氏

開成中学校は1年生の時に中退しています。暗記が好きではなかったので、算数や国語の配点が高い学校を選んで受けましたが、入学後、興味の持てない教科の暗記を大量に要求される環境に早々と嫌気がさしてしまいました。で、グレちゃいまして…。

1学期にいきなり学年主任の訓戒を受け、2学期には校長に呼び出され、反省文を書かずにいたら、「校風に合わない」ということで自主退学となりました。

私自身はそれほどショックではありませんでしたが、母が泣いているのを見て反省し、1ヵ月くらい人生について考えました。父からは「男は夢を持て」という明快なメッセージをもらったこともあり、興味を持てないものに時間を割くのを一切止め、納得いくことをやる、という人生を送ることに決めました。

とはいえさすがに中学校に行かないわけにもいかないので、近くの公立中学校に入り直しました。「開成を退学した背の高いヤツが編入してきたぞ」、ということでみんなから「君づけ」されたりして、なかなか友だちができませんでした。

小学校時代は明るくて社交的だったのですが、この中学2年間で、「内向力」を育みましたね(笑)。

そこからどのようにメドレーの創業に繋がったのですか。

高校に入学してからは、普通に大学に行こうと思ってはいたのですが、2年生のとき、進路を考えているプロセスでビジネスに出会ってしまい、市場調査をメインとした事業を創業したのが最初の起業です。 この事業は、責任を持って区切りをつけたのちに譲渡しました。そして、次に何をやるかを考えるにあたっては、「興味を持てるか」「市場が大きいか」「成長産業か」ということを重視しました。インターネットを使った事業であることだけは決めていたのですが、どの市場を対象にするのかについて考えました。

株式会社メドレー 瀧口氏

ちょうどその頃、祖父が胃がんになり胃を全摘出し、数ヶ月後に亡くなりました。手術後に父と帰省した際、普段冷静な父が祖父に対して「手術しなくてもおそらく2,3年は生きられたはずだよ。辛い思いして手術したんだから長生きして欲しいんだ」と声を荒らげて祖父を元気づけているのを見て、もう布団に入って涙が止まらなくなりました。

後日、病室で看取った際も「果たしてこれでよかったのか」という後悔の念が強く残りました。 患者やその家族が「治療の選択に必要な情報」を見つけ出せるプロセスがないという問題を、身を持って感じたのです。

セカンドオピニオンという言葉は今、多くの人が知っている言葉ですが、実際にセカンドオピニオンは、誰にどのように取ればよいのかは知られていません。そもそも、主治医以外に意見を求めること自体が失礼だと思う人もいると聞きます。

病院の選び方にしてもそうです。家や車を買うときは、真剣にいろいろ調べて、比較して意思決定をするのに、医療の選択はそうではありません。知人の紹介だから、先生の感じが良いから、病院がきれいだから、など、信じられないほど安易な軸で選択しているのが実情です。

そういう背景もあって、「このままではダメだ。人生の最期で、本人が納得行かないような想いをさせてはいけない」と、強く思うようになりました。そして、「納得のいく人生をおくる」これこそが私が中学時代から、重視している価値観でしたので、まさに自分自身がやるべきテーマだと思ったのです。これが、『医療・ヘルスケア』を事業テーマに決めた理由です。

医療業界という広大な市場の中で、何から事業化することにしたのですか。

株式会社メドレー 瀧口氏

まずは「患者が納得のいく医療」、というテーマでアイディア出しをしました。しかし、どれも正解とは思えませんでした。基本的に企画が弱いのは、情報不足であることがほとんどです。地方の医師不足や、人口問題、財源の問題などのキーワードレベルでの情報はすぐ見つかりますが、医療業界は専門性も高く、外から構造を理解することは容易ではありません。

そこで、実際に病院の中で働いてみることにしました。この原体験は、私の中でとても大きなものでした。とにかく、商習慣がとても古く、また、驚くほどコストカットの余地があったりもします。中に入ってみて驚きがある、ということは、改善、改革の余地が大きくあるということでもあります。

そのなかで、どの集まりに出席してもほぼすべての病院にとって深刻な悩みだったのは、「人材不足」でした。 背景としては、いわゆる「7:1看護」の問題が大きくありました。

2006年度の診療報酬改定で、「入院患者7人にたいして、看護職員が1人勤務している状態」を基準とすることが決まり、この基準に達しない病院は診療報酬が低くなってしまうことになったのです。これは、病院にとって大きな悩みの種になりました。東京をはじめとする都心の病院はまだ良いのです。

看護師採用のためのプロモーションに力を入れ、近郊都市の看護師さんを高給で採用することができましたから。しかし、都心に看護師を取られてしまった地方都市は困ります。解決方法が地元のハローワークしかないという状態になると、どんどん地域間格差が広がるな、と感じました。 

また、地方には有資格者にもかかわらず、その資格や経験を活かせていない人材が沢山いました。そこで、地方の人材不足に対応するためのマッチングサイト「ジョブメドレー」を運営するところから着手することにしたのです。「市場が大きいか」「成長産業か」という切り口でも筋が良さそうでしたし、医療経済は人口統計と密接に関係しますから、先のトレンドをある程度読むことができます。

地方という市場もインターネットと相性が良さそうですし、しっかりと知恵を絞って努力すれば、何とか解決できる問題ではないかと思いました。これはある地方都市の産婦人科の例ですが、これまでどうしても助産師さんが不足しており、24時間体制にできていなかった病院がありました。それが、私たちのサービスを通じて採用に成功し、ようやく念願の24時間体制にすることができたというケースがありました。現在は軌道に乗り、収益化しています。

今後、新たな事業展開を考えていますか。

今までは医療従事者向けの事業しか行なっておりませんでしたが、2015年から、一般消費者向けのサービスを始めていきます。当社の設立時から課題意識があった、「患者やその家族が『治療の選択に必要な情報』を見つけ出せるプロセスがない」という問題に取り組んでいくためです。

既に運営を始めているものとしては、2月にリリースした医師たちが作るオンライン病気事典「MEDLEY」、4月にグリー株式会社より譲受した介護口コミメディア「介護のほんね」があります。 こちらに関しては代表取締役医師である豊田から詳しく説明させて頂きますが、患者のリテラシーを高めることが、日本の医療を根本から良くする重要なきっかけになり得ると考えていますし、リリースしてからのユーザーからのフィードバックに、手応えを感じています。

今後の勝ち目を、どこに感じていますか。

株式会社メドレー 瀧口氏

医療業界は自動車産業を超える巨大産業ですから、インターネットを通じてサービスを提供する会社ももちろんありますが、業界の常識を大切にしている反面、UIやUXの設計など、本当のユーザー視点で作りこめているかという点では、ネット企業と比べると未成熟だと感じます。

これまで業界内で、B2Bを前提としたサービス提供をしていた企業と、私たちのようにあくまでもネット企業として、B2C感覚を強く持って医療業界に参入しているプレーヤーとでは、強みや持ち味がかなり異なると考えています。しかも、メドレーには代表取締役医師である豊田をはじめとして、東大医学部出身者が4名在籍しています。医療に真正面から取り組む意味で、非常に重要だと考えています。

最後にメッセージをお願いします。

私たちにとって大切なことなのに、意外とよく知らない医療のこと。若いうちは特に、親近感を感じにくいかもしれません。しかし、国家レベルの課題であり、かつ、市場の規模も成長性も桁違いです。医師や弁護士も、 一流のエンジニアも社内にいるスタートアップで、巨大市場に切り込んでいくことに興味をお持ちいただけたら、ぜひお会いしたい と思います。

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