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日本の成長企業

メルカリのビジネスモデルと事業意義

株式会社メルカリ
取締役 小泉文明 氏

1980年生まれ。早稲田大学卒業後、大和証券SMBC株式会社に入社。投資銀行部門にて、DeNAをはじめとする数多くのネット企業のIPOを担当。2007年に株式会社ミクシィに入社し、社長室長、経営管理本部長を歴任し取締役執行役員CFOに就任。2012年に同職を退任後、IT系ベンチャーやスタートアップ企業の取締役、監査役などの経営サポートを務める。2013年に株式会社メルカリに入社後、取締役に就任。

≫メルカリ 代表取締役社長 山田進太郎氏のインタビューはこちら

メルカリのビジネスモデルをぜひ、小泉さんに解説して頂きたいと思います。

どこからいきましょうかね(笑)。メルカリは、スマホで簡単にものを売ったり買ったりできる「フリマアプリ」です。まさにフリーマーケットのように、要らなくなったものを出品して、それを欲しい人が買っていくというスマホ上のプラットフォームです。

売り買いが非常に簡単であることがポイントです。出品する人は、着なくなった服や、使わなくなった小物などをスマホのカメラで撮って値段とコメントを記載してアップするだけです。3分もあれば出品できます。購入する人にとっても、簡単です。スマホで常にアップデートされているアイテムの中で気に入ったものがあったら、購入ボタンを押せば、あとはクレジットカードでも、コンビニでも、ATMでも支払えます。

手続きは簡単なのですが、そうはいっても「売買」です。偽物だったらどうしよう、商品が届かなかったらどうしよう、という心配があります。そこに対して、しっかりとした仕組み(エスクロー)を用意しサービスを開始しています。支払った時点では「メルカリが代金を預かっている状態」であり、きちんと買い手に商品が届き、評価をされてから、売り手に入金されることになります。

これによって、買い手にとっては、「偽物だったり、商品が届かないリスク」を避けられますし、売り手にとっては、「商品を届けたのに、お金が支払われないリスク」を避けることができます。

ユーザーはどうしてメルカリを使うのでしょうか。

「要らないものを売りたい」とか、「フリマ的に、買い物をしたい」というニーズは確実に存在するはずですが、これまでのCtoCサービス、主にオークションでは、出品するだけで手数料がかかったり、有料の会員登録が必要だったりするなどのハードルがありました。

今、世の中はインターネットの主流はスマホなので、とにかく誰でも簡単に取引できるところが、メルカリが着目した他のサービスと違うところかと思います。また、フリーマーケットというと、コマースサイトのように捉えがちですが、コミュニケーションやエンタテインメントの要素を盛り込むことを非常に大切にしています。

例えばECですと、トップページの目立つ位置にアイテムを探す検索窓やカテゴリーがあり、利用する方は基本そこから商品を辿り購入します。ですが、メルカリは少し違う使われ方をしています。

メルカリのTOP画面には出品されたばかりの商品がタイムライン形式で並び、どんどん情報が更新されていきます。ユーザーは空いている時間にそこを眺め、自分のお気に入りを見つけたり、お買い得商品に出会ったり発見したりするということを楽しんでいます。

そのようにCtoCならではの要素+エンタテインメントを盛り込むことで、毎日時間があるときに、アプリを開いてくれ、日常の一部としてみなさんが利用してくれているのだと思います。

メルカリの事業が持つ意義はどのようなところにあるのでしょうか。

僕らが大事にしているのは、メルカリはC2C(Consumer to Consumer)であるということです。いわゆる「個人対個人」です。これは全ての人に使われる可能性を秘めています。今後、一人一台スマホを持つ時代、一人ひとりがインターネットに簡単に接続する時代が来ています。

その一人ひとりが何らかのものを所有していることは間違いありません。そして、すべてのものを日々使っているわけではないはずです。服にしろ、小物にしろ、ほとんど使われないことが多いのではないかと思います。一方で、その使われていないものは、他の人からしたら非常に役に立つ、欲しいものである可能性があるわけです。

極端なことをいうと、1億人×5品なら5億品に、10品なら10億品あるといえます。その1人5品なり10品を、「要らなくなった人から欲しい人へ」、メルカリというプラットフォームを媒介することで、簡単に手渡すことができます。

それによって、誰もが賢く便利な生活を経験できるのではないかと思っています。これを世界レベルでみると、本当に大きなポテンシャルがあることだと思います。「なめらかな社会を築く(Build an Efficient Society)」というメルカリのミッションは、このような考えに基づいています。

ミクシィのCFOだった小泉さんがメルカリを選んだのはなぜですか。

僕自身、コンシューマーサービスがとても好きなのです。

僕は、インターネットの本質は”Power To The People”であり、多くの人々に力を与えることだと思っています。ですから、「自分たちのサービスを、なるべく多くの人に使ってもらい、使われれば使われるほど価値があるもの」を作りたいという思いが強くあります。いいものを作っているという自負できるサービスで、かつ、プラットフォームとなり得るものに興味があります。

その観点で言うと、メルカリは「C2C」で、コマースの一種でありながら、コミュニケーション要素もエンタテインメント要素もあって、誰でも簡単に使えます。そういうところに非常に強い興味とポテンシャルを感じたのです。「多くの人々のプラットフォームになる」という考え方が僕は好きなのです。

C2Cに大きな可能性を感じるのは、これこそがまさにインターネットだからです。TVや第一世代のインターネットのように、発信側が情報を整理し、コンテンツ化させ上からシャワーのように流すというモデルの「逆」で、個人からどんどん情報が湧きあがってくるという状態だからです。

そこにおいては、湧き上がってくるコンテンツをまとめるフレームワークのようなものが必要です。メルカリは基本的に、マーケットプレイスのフレームワークを用意する存在であり、そこに乗る商品やコンテンツは、全てユーザー自身が作っています。フレームワークを作ることで、ユーザーが商品やコンテンツを自発的にどんどん増やし、指数関数的にサービスが伸びていきます。人や情報がどんどん乗ってくることで、どんどん面白くなり、また人と情報が集まり、ネットワーク効果が働いて、サービスとしての利便性や完成度が上がり、より大きなプラットフォームになるというように、どんどん自走していきます。僕は、そういうところがインターネットの面白さだと思っています。

そういう意味で言うと、C2Cは一番そこに向いているというか、非常に可能性があります。少ないリソース、少ないメンバーで、本当に多くの人が使うものが作れるのではないかと思っています。メルカリは、まさにその象徴だと言えます。

 メルカリ 小泉文明氏のインタビュー後編を読む≫

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